USCPA

USCPAの合格に必要な本当に現実的な期間

2021-07-29

USCPAは魅力的な資格ですが、実際に勉強してみると分かりますが結構難しい資格です。

ネット上では「6ヶ月で受かった!」「1年あれば合格できる!」という情報も散見されますが、社会人が働きながら合格するのに必要な現実的な期間はどれくらいなのでしょうか?

ポイント

  • ネット上の情報では「受験資格の単位を揃えるための期間」「教育訓練給付金を申請するための期間」が抜けていると思われる
  • 予備校の申し込みから全科目合格までの期間は、2〜3年が現実的と思われる。

ネット上の情報での勉強期間は短すぎる?

ネット上で短期間で合格している人の経歴をよーく見ると、「日本の公認会計士なので、会計のことは既に分かっている」「海外留学経験があり、英語は超得意」などのように、既にUSCPAとしての基礎ができている人が多いように思います。しかし、USCPAを受けようとする人でこの条件に当てはまる人の割合は少ないはずので、彼ら / 彼女らの言うことはアテにできません。

また、「平日は毎日3〜4時間勉強、休日は7時間以上勉強」という人もいますが、ただでさえ忙しい社会人だとこのペースでの勉強を1年近くも続けるのは厳しいはずです1。特に子育てしながらだとなおさらです。

さらに、受験に必要な単位を揃えるという、多くの日本人にとって必要な時間が考慮されていない気がしてなりません。

そのため、以下のような現実的な人を想定して、予備校の申込みから全科目合格までかかる時間を考えてみます。

  • 大学では会計学専攻ではなかったので、受験資格を得るために必要な会計単位・ビジネス単位をゼロから取る必要がある。
  • 米国会計の知識はゼロなので、英文会計基礎から勉強が必要。
  • 平日はフルタイムで働いている社会人。たまに残業が続く時期もある。
  • 予備校はアビタスを利用(eラーニング フルパックを申し込み)
  • 趣味やデートや子育てなどに忙しいため、休日をすべて勉強に捧げることは不可能

USCPA全科目合格のために現実的に必要な期間

単位の取得・教育訓練給付金の課題提出に11ヶ月

予備校(アビタス)に申し込んで、試験に向けていきなり勉強…とはいきません。普通の人は、本格的な試験勉強に入る前に、次の2つをクリアしなければなりません。

  • 会計単位・ビジネス単位の取得
  • 教育訓練給付金を得るための課題の提出

単位の取得は受験資格を得るために必要です。試験範囲と同じ、FAR, BEC, AUD, REGについての基礎を一通り勉強しないと、まともに行えば単位認定試験に合格することができません2

教育訓練給付金は、アビタスへの申込みから11ヶ月以内に必要な課題を提出すると、受講料の一部(多くの人は上限額の10万円)がもらえるというものです。会計・ビジネス単位と違って、これは必ず取る必要があるものではないですが、10万円がもらえるので、取り組む人がほとんどだと思います。こちらもFAR, BEC, AUD, REGについて一通り勉強しないと合格できません。

単位の取得と教育訓練給付金の課題提出は、どちらも同じことを行えば完了できるため、並行して行えばよいでしょう。教育訓練給付金の申請は申込みから11ヶ月以内のため、この2つにかかる期間を仮に11ヶ月とします。

本格的な受験勉強に18ヶ月

単位の取得や教育訓練給付金の課題提出ができれば、一応は一通り勉強したことになります。しかし、この段階の理解度では試験の合格は難しいでしょう。

本格的な勉強はまた別途行う必要があります。これにかかる時間は人や科目によって様々です。

USCPAの場合、科目合格の有効期限は18ヶ月なので、18ヶ月以内に全科目を合格する必要があります。しかし、特に英語が苦手な人が多い日本人だと顕著なようですが、合格から18ヶ月を超えて科目合格が失効してしまった経験のある人が、全科目合格者の中でも珍しくないようです。

仮に1科目を3ヶ月で仕上げるとすると、12ヶ月あれば全科目合格できます。しかし本格的な勉強を12ヶ月続けるのは社会人だとなかなか難しいでしょう。例えば繁忙期は勉強が疎かになるでしょうし、たまには旅行などのリフレッシュも必要でしょう。そのため、現実的には12ヶ月以上かかる人が多いでしょう。

上記を考えて、全科目合格まで18ヶ月かかると仮定します。

受講開始から2〜3年かかるのが現実的なライン

前節を考えると、単位の取得や教育訓練給付金の課題提出に11ヶ月 + 本格的な勉強に18ヶ月かかり、合計29ヶ月(約2年半)かかると考えられます。

しかし、単位の取得のあとに少し休憩したり、科目合格が失効してしまったりして、必要な期間が伸びることも十分ありえます。逆に全体的に学習が速く進む人もそれなりにいるでしょう。しかしながら、受験のための手続き等も考えると、全体で2年を下回るケースは珍しいと思います。

諸々を考えると、「受講開始から2〜3年」というのが現実的な期間と考えられます。

USCPAは取れたら有用ですが、決して簡単ではありません。限られた人生の中で、多くの時間とお金を費やすことになるので、現実的なスケジュールを見て勉強に励みましょう!

  1. 以前、別の資格のためにそのような生活を送っていたことがあるが、ガチで鬱になりかけた
  2. 「まともに行えば」と書きましたが、実はある方法を使えば、あまり勉強しなくても合格するだけならできます。しかし方法があまりにもアレなのでここでは書きません。気になる方は個別に連絡してください。

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