USCPA

USCPA(米国公認会計士)と日本の公認会計士と日商簿記1級の試験の違い

U.S.CPA(米国公認会計士)と比較される会計系の資格として、日本の公認会計士の短答式試験と、日商簿記検定1級があります。いずれも難易度がそれなりにorかなり高いものですが、問われる知識の範囲や深さが異なります。実際に勉強して試験を受けた経験から、違いを記していきます(税理士試験は経験がないのでパス)。

知識範囲の違い

大まかに言えば、科目は次のようにマッピングできます。

USCPA試験の科目日本の公認会計士試験の該当科目日商簿記1級の該当科目
FAR財務会計論(簿記+財務諸表論)商業簿記・会計学
BEC管理会計論工業簿記・原価計算
AUD監査論(該当なし)
REG租税法(該当なし)

USCPAのFARやBECは、一見したところ財務会計論や管理会計論に似ています。また、日本の会計士試験の財務会計論や管理会計論は、日商簿記1級の商業簿記・会計学や工業簿記・原価計算と知識の範囲は似ています(ただし難易度はぜんぜん違う)。しかし、USCPAの場合は日本の試験では出てこないような内容も出てきます。

具体的には、USCPAのFARでは公会計が出てくるのですが、日本の公認会計士試験では一切出てきません。公会計は一般的な企業会計とは異なる点が多く、しかも資格スクールなどで言われている以上に大きい割合で試験に出てくるので、日本の会計系の試験に慣れている人でも地味に苦労するところになります。これはBECも同じで、日本の会計系試験に出てこない部分がやたらUSCPAの試験には出てきます。逆に言えばそれ以外の部分は日本の会計系試験での知識で相当な割合をカバーできるので、ヤマを張るならUSCPA独特の範囲を重点的に勉強するようにしましょう。

USCPA試験の科目内容日本の公認会計士試験での該当科目
FAR企業会計財務会計論
FAR公会計(政府・非営利組織の会計)(該当なし)
BEC工業簿記・管理会計管理会計論
BEC経済学経済学
BECIT(該当なし)
BECコーポレートガバナンス(該当なし)

難易度の違い

これは単純。

  • 激難:日本の公認会計士
  • 難:USCPA
  • 中:日商簿記1級

USCPAは1つ1つの科目を見れば日商簿記1級よりも簡単という話もありますし、実際にFARの簿記の部分だけを見ると日商簿記1級の方が難しい気もします。しかし、USCPAの方が

  • 同じ科目でも、細かく見ると範囲が広い
  • そもそも科目数も多い
  • 問題文も回答の選択肢もすべて英語

ということを考えると、総合的にはUSCPAの方が難しいです。

受験者層の違い

日本の公認会計士試験の試験会場に行くと、受験者は20代が多いように見えます。これは、仕事をしながら勉強して合格を目指すには難易度が高すぎる試験であること、また合格して適当な監査法人に入所できれば会計系の特権階級としてキャリアをスタートできるため、大学在学中から人生を賭けるつもりで本腰を入れて試験に臨む(在学中に合格できなかった場合は卒業後も就職せずに勉強に専念するか、働き始めてから会計士の勉強を始める人の場合は勤めている会社を休職or退職して勉強に専念する人も少なくないと思われる)人が多いためだと考えられます。そのため、30代後半以降となると、会場で若干浮きます。

一方、USCPAはそもそも大学を卒業していないと受験資格を満たさず(一部の州では若干異なる)、難易度的にも働きながらの合格は現実的に可能なため、大半が社会人です。そのため、年齢層の幅は日本の会計士より広く、20代後半〜30代が多かったように見えました。

日商簿記1級は…何年も前に受けたときの記憶なので曖昧ですが、USCPAと同じく比較的年齢の幅は広かったように思います。日商簿記1級は日本の会計士や税理士を目指す人が「通過点」として受けるケースが多いほか、経理業務で培った知識の可視化や自己実現(趣味)で受けている人も多いかと思います。こう言ってはなんですが、日本の会計士やUSCPAと違って、年をとった後でも受けるためのハードルが低い、言い方を変えれば本気度が低い人が多いように見えます。

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