日本と米国で、貸倒引当金の会計処理にどのような違いがあるのか調べてみました。
目次
貸倒引当金の処理の違い
日本の会計も、米国の会計も、貸倒引当金に関する処理の流れは同じです。
- 期末に貸倒引当金を積む
- 償却時には貸倒引当金を減額する
- 翌期末に、貸倒引当金を調整する
しかし、少し調べると次のような違いがあります。
債権の分類
日本の簿記や会計士試験では、債権を一般債権・貸倒懸念債権・破産更生債権等の3つに分類し、それぞれ異なる方法で評価を行います。そのため、試験問題を解くときには、それぞれの分類の金額を算出することからスタートします。
しかしUSCPAの試験では、このような分類は行わずに、一般債権と同じ方法(一定の割合を乗ずる)で貸倒引当金を計算します。
貸倒引当金の計算方法
日本の会計では、貸倒引当金は期末の債権(売掛金)の残高に一定の割合を乗ずることで計算します。
しかし米国の会計では、貸倒引当金の計算方法には次の2種類の方法があるようです。
- 期末の債権の残高に一定の割合を乗ずる
- 期中の売上高に一定の割合を乗ずる
なお後者だと、想定よりも貸倒が少ない場合、期を重ねると貸倒引当金が延々と積み上がっていく気がしてならないのですが、正しいのでしょうか…?
償却債権取立益の有無
債権が回収不能になると貸倒処理を行います。その後、何らかの理由で翌期以降に貸倒処理を行ったものの一部or全部の回収に成功すると、日本の会計では償却債権取立益として営業外利益が発生します。
現預金 xxx / 償却債権取立益 xxx
しかし、米国の会計では償却債権取立益はどうやら存在しないようです。代わりに、貸倒引当金を増やします。結果として、期末における貸倒引当金残高の増加が減る→貸倒引当金繰入(Bad debt expense)の金額が減ることになります。
Cash xxx / Allowance for doubtful accounts xxx