2020年12月にUSCPA試験のFAR科目に合格したので、私の勉強法と合格に向けて対策すべきことを書きます。
目次
筆者の前提
- 理工系学部出身のため、大学では会計についての勉強ゼロ
- 大学は旧帝大7大学のどれか
- 働きながら日本の公認会計士試験の勉強をしていたことがあるが、短答式試験を突破できず挫折
- TOEICは800点台後半。仕事で英語でのコミュニケーションが必要になることがある。
- Abitusのeラーニングコースを受講
FAR合格への勉強方法
まず、FAR合格に向けてどのような教材を使用したか記します。
使用した教材
基本的にアビタスの教科書と問題集しか使っていません!ひたすら問題集を解いていきました。
試験の約1ヶ月前に、Abitusが提供する模試を受けて、苦手分野を確認してから最後の追い込みに入りました。
他の人のブログなどを見るとWileyなどの洋書の問題集も併用したという話も見かけますが、私は使用していません。「海外生活が長く、英語がネイティブレベルに使えるので洋書が全く苦にならない!」という人は別ですが、私は日本人としては英語がそれなりに得意な方とは言っても日本語の方が理解しやすいため、洋書の問題集を使用する理由がなかったためです。
ただし…日本の公認会計士や簿記1級の勉強経験がある人だと、日本の会計基準との差異を知ったほうが理解が進むケースもあるかと思います。Big4監査法人が出している本で主要な会計論点の日米の差異をまとめた本があったので、これを参考資料として勉強していました。
勉強方法・勉強時間
きちんと計ってはいないですが、FARの勉強に費やしたのは合計300時間程度だったと思います。
FARの試験前に本格的に勉強を行ったのは4ヶ月くらいだったと思います。特に試験1〜2ヶ月前は、毎日2時間程度を勉強に費やしていたと思います。休日は極力休みたい人だった1ので、休日にまとめて勉強するのではなく、平日・休日関係なく夜にコンスタントに勉強していたイメージです。
私は理工系の学部出身だったため、会計やビジネスの単位は皆無でした。そのため、FARの試験勉強を本格的に始める前に単位を取るための勉強はしており、上記に加えてざっくり100時間くらいは勉強していたはずです。合計すると300時間程度かなと思います。
ただし、冒頭に書いたように日本の会計士の勉強経験があるため、既に知っている内容で日米の会計基準の差があまり無い分野は軽く流していたことにも留意が必要です。会計の知識がゼロの状態でスタートするなら、500時間かかってもおかしくないと思います。
FAR合格への試験対策
政府会計・非営利組織会計(FAR 5)に注力!
私の場合はこれに尽きます。FAR 5に注力しましょう。
USCPAの受験者は、簿記などの日本の会計系試験の勉強をしたり、実際に経理実務に携わるなどして、日本の会計の知識は多かれ少なかれ持っているケースが多いでしょう。そのため、FAR5以外のFAR 1〜4の内容は、USCPAの勉強をしなくても英単語の意味が分かれば多少は回答できると思います。
しかし、FAR 5の政府会計・非営利組織会計に近い知識を持っている人はほとんどいないはずです。
FAR 5は本格的に勉強しないと何も答えられない上に、地味にFAR 5の出題頻度は高いです。意識してFAR 5を勉強するくらいでちょうど良いと思います。
FAR5はFARの最後なので、勉強疲れが出てきます。またFAR1〜4の企業会計とは色々異なるため感覚が狂いますし、とっつきにくい内容のため、正直なところ捨てたくなる気持ちにもなりますが、なんとか踏みとどまって勉強しましょう。
リサーチ問題は練習しなくても合格できた
実はリサーチ問題の勉強や練習はしなかった…というか正確にはできませんでした。
USCPA特有の問題として、リサーチ問題が出てきます。これは専用の検索サイトで問題が示す状況に当てはまる条文を探して答えるというものです。
Abitusの資料によるとリサーチ問題の練習用に条文検索システムの無料ライセンスがNASBAアカウントに付与されることになっていますが、システムエラーのためなのか何か手続きに不備があったのか、本番以外では一切アクセスできませんでした…。
ただ、システムの使い方と条文番号の見方をAbitusの資料で一読しておけば、試験本番で初見で使ってもだいたい分かると思います。
このように練習用のシステムが必ずしも利用できるとは限らないことと、問題数はせいぜい1〜2問であること、またリサーチ問題だけのための勉強(どのような内容がどの条文にあるか大まかに暗記する等?)は効率が悪すぎるため、リサーチ問題にあまり時間をかけすぎないようにしましょう。