雑学・暮らしのアイデア

GPSなしで現在位置を割り出す方法

2020-05-16

今の時代だとスマートフォンに付いている地図アプリで今いる位置を簡単に出すことができます。しかし、スマートフォンはおろかGPSが無かった時代は、航空機や船舶はどうやって位置を割り出していたのでしょうか?

いくつか調べてみました。GPSなどが無い時代は、自然現象の観測をもとに位置を割り出していたようで、人類の英知の積み重ねを感じることができます。

天測航法

太陽やいくつかの星の位置(角度)を「六分儀」という機械で測定し、測定した正確な時刻や、それぞれの時刻での星の位置が載っている「航海年鑑」から、現在地を割り出す方法です。かつての船舶では必須だったようで、今はGPSがあるものの、バックアップ手段として、また個人の趣味として使われることがあるようです。

私は実際にこれを使って測定を行ったことは無いのですが…六分儀がカッコよく見えて気になります(ガジェット好きの人や理系学生なら分かってもらえるかと)。ちなみにAmazonで六分儀が売られています。安くはないですが、個人でも買える額ではあるので、もしよければ購入してみてください(笑)

慣性航法

小学校の算数で、「横軸が時間、縦軸が速度のグラフの面積」が実際に進んだ距離になるという風に習ったのを覚えているでしょうか?

当時は「なぜ面積が距離になるのかがよく分からん」と思っていたのですが、数学的には速度を時間で積分しているだけです…ということを高3の物理の授業で習いました。

この話を応用(?)して、加速度計で得た加速度を2回積分して距離を出し、さらにジャイロで各時点の方角も計測していくことで、理論上は当初居た位置からどの方向にどれだけ進んだかが分かります。これを使った慣性航法装置が航空機などで使われています。

もちろん、加速度計やジャイロの誤差が蓄積していくので、別の方法で適宜補正は必要ですが、航空機の場合は少々の誤差であればあまり問題にならない(地上で誤差5kmと言えば大きいですが、空から見れば5kmのズレがあっても目視で見つけられる)ようです。

ポリネシア航法

これは計算機などは使わずに、自然現象を見て進むべき方向を決めるものです。ある意味で一番原始的かと。

Wikipediaに載っている例では「北東貿易風に乗ってひたすら東に進む」「特定の鳥類が見つかったら、その行動から島の方向を推測して船を進める」などを組み合わせることになっています。昔の漁師が代々伝えてきたのでしょう。単純と言えば単純ですが、これらを組み合わせることで実際に長距離の航海を成功させているのが驚きです。

昔のRPGや宝探しゲームには「○から東に○歩進み、その後南に○歩進むと宝箱がある」といったようなものがありましたが、感覚的にはそれに近いです。

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