「外資系企業では学歴ではなく実力勝負」は本当か?

コミュ障の仕事術

「外資系企業では学歴ではなく実力勝負」という説を聞いたことがあります。これは「外資系企業に入るには、学歴は関係なく実力が重視される」という意味で使われていると思われますが、果たして本当なのでしょうか?

この説の正しさは会社や業界にもよると思いますが、私がかつて新卒で外資系金融機関やコンサルの選考を受けてみたときの経験から考えてみます。

  • 学歴の偏りは、日系企業よりもむしろ外資系企業の方が大きい
  • 実力のある人は、実力の一部として当然のように勉強もできる(= 学歴も実力のうち)のが理由と考えられる。

前提

「外資系企業」と言っても、多くの会社が存在します。ここでは、実際に私が受けたことがある外資系金融機関・コンサルティングファームに限って話をします。ただ、知人の話を聞く限りは、世界でトップクラスのIT業界やメーカーなども似たような事情かと思います。

また、一般に外資系と言われている会社でも、日本法人は必ずしも外国資本が大きくはないケースもあり、法的に言えば外資系とは言えないケースもあります。しかし、グローバル展開しており世界的に知名度が高く、日本以外が発祥の会社も、ここではいわゆる外資系企業として含めることにします。

なお、これは私が10年ほど前に新卒で就職活動を行っていたときの話なので、今は事情が異なるかもしれません。

外資系ほど学歴重視に思われる

面接の参加者

私が面接を受けたときは、予想以上に高学歴の人が多かったように思います。例えば、とある外資系金融機関の1次面接(グループ面接)を受けたときは、1次面接の段階にも関わらず、7割近くが東大・京大・早稲田・慶応(+ 一橋・東工大?)の学生だったように思います。日本の企業の面接も多く受けていましたが、特定の大学を狙ったリクルータ面接を除いて、ここまで学歴の偏りがあるのは日本の企業では無かったように思います。

なお、それ以外の大学の学生もいたので、学歴だけでフィルターをかけているという訳ではなさそうです。「留学経験があって英語が非常に得意」「起業経験がある」「応募している企業・部門の業務に直結する専門知識や経験がある」など一芸に秀でている人は、大学に関係なくそこそこの割合で1次選考は通過すると思われます。

ちなみに留学生や公務員試験受験組向けに10月頃に採用を行っている企業も一部あります(外資系だけではなく大手日系企業も)。また、日本では面接を受けずに、留学しながらボストンキャリアフォーラム等から面接に臨んだ人もいたようです。

面接の場所

これはやや極端な例ですが、関西の大学生の中で京大生を狙っていると思われるケースが複数の会社でありました。

東京に本社がある企業が、ある程度の人数を採用する場合、本社がある東京だけでなく他の都市でも序盤の面接を行う場合があります。この場合、人口や交通の便を考えてまずは大阪、さらに増やす場合は名古屋や福岡などで行うケースが多いです。各都市で交通の便が良い場所にある、当該会社のオフィス(あれば)や貸会議室・ホテルが会場として使われることが多いです。

私が受けた某外資系企業では、関東と関西の2ヶ所で一次面接が行われました。この際、関西の面接は大阪ではなく、なぜか京都で行われていました。関西で面接を行う場合は通常は大阪で行うので、あえて京都で行うのは珍しいことです(私が受けた、東京に本社がある日系企業は、関西で選考を行う場合は京都ではなく大阪で選考が行われていました)。

このときの参加者は10〜30人程度でしたが、半分近くは京大生だったように思います。狙って京大生を集めたのか、学歴関係なく書類選考を行ったら結果的に京大生が集まったのかは分かりませんが、いずれにせよ人数の割合が大きくなった京大生の便を図ったのかもしれません。また東京の企業からすると、京都のほうが大阪よりも少し近いので便利(新幹線での移動にかかる時間や費用を少しだけ節約できる)のも理由として考えられます。

学歴に偏りが大きい理由

こうして見ると、外資系企業のほうがむしろ学歴を重視しているようにも見えます。その理由を考えてみました。

「学歴も実力のうち」という考え

文字通りですが、入社後に戦力になりやすい人は、職種にもよりますが一定程度の頭の良さは必要です。特に外資系金融機関やコンサルの場合は、短期間で業界の様々な知識を学習した上で、多くの情報を短時間で処理する必要があります。そのため、短時間での学習が得意な人として、高学歴の人が好まれると考えられます。

さらに言えば、実力に溢れる人というのは、実力の一つとして頭も良いので、結果として学歴も高い傾向にあります(勉強もスポーツもできて人当たりもよくてリーダーシップもあり、そのうえ美男美女という超人は、日本全体の割合としては少ないものの、そういう人が集まる場所には多く存在する)。つまり「学歴も実力のうち」であり、欲しい人材は自然と高学歴になっているのです。

「高学歴の人を狙って採用する」のではなく、「採用したい人を集めたら、結果として高学歴な人が多くなった」という意味であり、「学歴だけを見て採用している」という批判的な意味での「学歴重視」の文脈で言われるのとは逆の因果関係なので注意してください。

知名度の偏り

外資系企業は上位校の人に知名度が高い(それ以外には知名度が低い)というのも、学歴に偏りが出てくる理由でしょう。

例えば、テレビなどで就職人気ランキングというものを見かけることがあります。当然のことながら、往々にして、日本の大手企業が上位を独占します。

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2021年卒業予定の大学生・大学院生を対象に調査した“就職希望企業ランキング”を発表! 【損保大手が上位に。航空は安定、メーカーは順位を落とす】1位 東京海上日動火災保険、2位 損害保険ジャパン、3位 伊藤忠商事となりました。新卒・既卒学生は就活準備・就職情報サイトのキャリタス就活2021へ!

しかし…東大生や京大生に限った就職人気ランキングを見ると、顔ぶれが大きく異なります。総合商社など、相変わらず上位に来る企業もありますが、保険会社や航空会社は大きく順位を下げ、代わりにコンサル・シンクタンクなど、上記の一般的な就職人気ランキングには出てこないような企業が多数上位に来ています。その中には外資系企業も多く含まれていることが分かります。

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上位に来る外資系を見ると、世界では知名度が高いものの日本ではあまり知名度が高くないものもあります(コンサルなど、業界自体があまり馴染みの無いものもある)。それも学歴が偏る原因の一つと思われます。

中途採用は事情が多少異なる?

上記の話は新卒採用での話です。中途採用は前職での経験がモノを言うので、実力勝負に近く、新卒ほどは学歴は見ないと思われます。ただし第二新卒の場合は、高学歴だと多少有利に働く可能性はあります。

また、大学卒業後に大学や大学院に入り直してから転職する人も一定数います(MBA取得や語学留学などのケースはよく見かけますが、理工系の人が自分の専門で博士号を取りに行くケースも有り)。

長い人生で学歴はそれなりに重要ですが、仕事の面では転職時にはそこまで重視されないほか、就職後も上記のように学歴を増やすことは可能です。1つの大学を卒業しただけで終わるのではなく、積極的にキャリア(職業だけではなく学問も含む)を増やしていきましょう。

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