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Jabra Evolve2 85の使用レビュー

2020-09-23

JabraのヘッドセットEvolve2 85を買って使ってみました。ちなみに、個人ブログの日本語レビュー記事としては、恐らく日本で2番目くらいに公開されたものだと思います(1番目と思われるのはこちら)。

ポイント

  • 少々高いのは間違いないが、電話会議が多い人にはおすすめ
  • 特に、まわりが騒がしい場合や、外国語で会議する人にはおすすめ

Jabraとは

Jabraというブランドの製品をご存知でしょうか?デンマークのGN Audio社のブランドで、音声通話に特化した高品質のマイク・スピーカーなどを世界中で販売しています。

今はパソコンやスマホでSkypeやMicrosoft Teamsなどで簡単に電話会議ができますが、パソコンやスマホだと意外と音質が悪く(特にマイク)、何人かで話していると音量や音質が原因で聞き取りにくいことがあります。社内会議でも難しいですが、特に顧客との会議では非常にやりにくいです。

このような場合に外部接続のマイク+スピーカーを付けると一気に聞き取りやすくなります。この際にJabraの製品が使われることがあり、いくつかの会社(特に外資系企業)で実際に使われているのを見たことがあります。

Jabra Evolve2 85とは

今回買ってみたEvolve2 85は、2020年4月に発売された新しいヘッドセットで、Jabraのオフィス用のワイヤレス・オーバーイヤー型ヘッドセットとしては最新・最高級のものです。

詳細は公式サイトに書かれていますが、強力なノイズキャンセリング機能(スピーカー・マイクとも)で長時間の会議にも臨めるのが特徴です。

手に入れるまで

手に入れようと思った理由

私の会社も原則テレワークとなり、自宅で会議に入ることが多くなりました。今まではスマホにイヤホンをつないで使っていましたが、次のようなデメリットがあります。

  • 単純に長時間つけていると耳が疲れる
  • 英語の会議のときは、少しのノイズや音質の乱れによって聞き取りづらくなる
  • マイクに生活音が入ってしまうことがある
  • マイクの位置が安定しない場合はイヤホンを手に持つ必要があり、手も疲れる

私は仕事で海外ともやり取りすることがあります。一応、TOEICは800台後半あるものの、英語のリスニング+スピーキングはそこまで得意ではないため、少しノイズが入るだけでほとんど聞き取れなくなります。逆に、マイクの音質が悪いと相手からも聞こえにくかったりします。これだと仕事にならないので、なんとか改善したいと思っていました。

また、会議が多い日はイヤホンを長時間(多いときには一日で合計数時間)つけることになります。さすがにこれは疲れてしまいます。また、会議中に家の生活音が入るとどうしても気が散ってしまいます。そのため、オーバーイヤー型(耳を覆う形)で高品質のヘッドセットを探して、ビジネス用途で有名なJabraブランドの製品であるEvolve2 85を買うことにしました。

注文方法

Jabraの公式サイトから発注できます。

一応、他のオンラインストアにもあるようですが、欠品中だったり、定価よりも高かったりするので、特段の理由がなければ公式サイトから注文するのが良いでしょう。

なお支払いは各種クレジットカードが利用可能で、アメックスで決済できました。

2021/8/29追記:今はYahoo!でも売っているようです。

MS Teams最適化済みかUnified Communicationのどちらを選ぶか

オンラインで注文するときには、いくつか選択肢があります。

  • 本体の色(黒 or ベージュ)
  • USB Bluetoothアダプターの種類(USB-A / USB-C)
  • 充電スタンドの有無
  • Microsoft Teams最適化済み or Unified Communications

このうち、MS Teams最適化済み or Unified Communicationsという選択肢は、どちらを選べばよいか分かりにくいと思います。

マニュアルによると、「MS Teams最適化済み」の方ではMicrosoft Teamsと組み合わせて使った場合に機能が少し変わるようです。もしMS Teamsをメインに使うのであれば最適化済みモデルを選べばよいかと思いますが、それ以外の場合はUnified Communicationsのモデルを選べばよいかと思います。

ちなみに私はUnified Communicationsモデルを買いましたが、そちらのモデルでもMS Teamsを使うことはできるのでご安心を。

届くまでの日数

発売当初は世界的なテレワークの急拡大に伴い需要過多だったため、当時は届くまでにかなり時間がかかったらしいです。ただ、2020年9月現在では1週間ほどで届くようになっており、実際に1週間で届きました

通常の配送方法だと3〜6営業日(←土日祝日は除く)と書かれていますが、追加料金1,500円を払えば2〜5営業日に短縮できるようです。ただ、(少なくとも私が注文した時は)香港から発送されて、しかも国外の複数の場所(台湾・中国大陸など)を経由して日本に届くため、途中で悪天候による航空貨物便の遅れが生じたり、通関手続きに時間がかかったりすると、到着が少々遅れる可能性があります。これは国際輸送で送られてくる以上は仕方がない(←というより日本の宅配が正確すぎる)ので、気長に待つようにしましょう。

都内だと配達はUPSで行われるのですが、UPSは平日の日中しか配達していないらしく、土日や夜しか受け取れない人は受け取りが困難な場合があります。その場合はUPSからクロネコヤマトに配達業者を変更するという方法がある(具体的な方法はネット上で調べれば出てきます)ので、必要な場合は手続きを行って下さい。

使ってみて良かった点

現時点で思った、良かったことを記します。

音質が良くなりコミュニケーションが取りやすくなった

まず、会議の相手から「声が聞き取りやすくなった」との感想がありました。イヤホン付属のマイクだと、姿勢や服によってマイクの位置がずれたりするのですが、このEvolve2 85だとマイクを出して使用するので、マイクの位置も安定し、音量や音声も安定します。

また、ヘッドセット自体の構造+ノイズキャンセリング機能によって、まわりの雑音が最小限に抑えられるため、聞き取りやすくなりました(さすがに近くで赤ちゃんが泣いている場合などは音が入ってしまいますが)。上記のように私は英語が必ずしも得意とは言えないのですが、聞き取りやすさが向上しました。

長時間使っても疲れにくい

思った以上に頭にフィットする形になっている(←もちろん人による)のとで、長時間使っても疲れにくいと思います。またオーバーイヤー型なので、耳の一部に圧力がかかるイヤホンやオンイヤー型ヘッドセットと比べて、耳自体への物理的な負担が軽いです。

ワイヤレスなので、ケーブルも邪魔になりません。私の会社ではカメラでの顔出しを滅多に行わない(音声+必要な場合のみパソコンの画面共有を使う)ので、長時間の会議で椅子に座り続けるのに疲れたときは、ヘッドセットをつけながら机から立ち上がって飲み物を取りに行ったり、筋トレしたりしています(笑)

マイクのミュートがしやすい

ヘッドセット自体に音量調整やマイクのON/OFFのボタンが物理的に付いています。今まではパソコンやスマホ側で操作する必要があったので、物理的なボタンで操作できると楽です。また、マイクを上げることでもミュートにできます。

ヘッドセットを外すと自動で音楽を一時停止にできる

音楽を聞きながら作業しているときに、突然話しかけられることもあると思います。その場合、(Hear Throughモードにすれば外部の音を聞くこともできるものの)ヘッドセットを外すことになると思います。

その場合、何となく音漏れするのが嫌なので音楽を一時停止にするのですが、スマホで操作をするのは微妙に面倒です。この点、Evolve2 85だとヘッドセットを耳から外す(正確には、外してイヤーカップを回転させる)と再生中の音楽が自動的に一時停止され、ヘッドセットを着けると自動的に再生されます。スマホの操作を行うこと無く元の状態に戻れるのがスマートです。

音量調整がしやすい

音量調整ボタンが本体右側に付いているため、パソコンやスマホを操作しなくても音量調整可能です。また、音楽を聴くときは、同じボタンを長押しすることで選曲(前の曲・次の曲に移動)もできます。

ノイズキャンセリングをあえてオフこともできる

スピーカーの音質については、「ノイズキャンセリング(ANC) ON」「ノイズキャンセリング OFF」「Hear Through(外部の音も取り込む)」の3つのモードを、左側のイヤーカップのボタンで切り替えできます。

まわりが騒がしい状況での会議ではノイズキャンセリングONで良いです。しかし、慣れの問題かもしれませんが、長時間この状態だと閉塞感を感じることがあります。この場合、ノイズキャンセリング OFFやHear Throughにすると閉塞感が低減します。リラックスした状態で音楽を聴くときなどは、あえてHear Throughモードにするのもおすすめです。

気になった点

逆に、困った点も無いわけではありません。

価格が高い

本体だけでも定価で50,000円(税抜)します。オプションの充電スタンドや消費税を足すと6万円を超えます(充電スタンドは無くても充電はできるので、あくまでもオプション)。

オーディオ機器は値段の幅がかなり広い(超高級ヘッドホンだと数十万円するものもザラにある)ので、まだまだ高価なものはいくらでもありますが、個人のポケットマネーで買うにはなかなか勇気が要る値段です。

また通常の家電量販店では、Evolve2 85に限らずJabra社の製品がめったに置いていないため、実機で試す機会がなかなか無いのも買うのに躊躇する点です。

もしどうしても値段が気になるのであれば、オーバーイヤー型ではなくオンザイヤー型(耳を覆うのではなく耳に当てる)になったり遮音性が弱くなったりしますが、Evolve2 65を買うという手もあります。

他に、オフィス用ではなくプライベート向けでハイエンドのモデルのElite 85hを買うのも良いでしょう。

 

デフォルトではマイクのノイズキャンセリング機能がオフになっている?

この製品は、ブームアームマイクを出さないでも使えるように、イヤーカップ内にもマイクが内蔵されています。一見、これはこれで便利なように見えます(歩きながら使うときなど)。

Jabra Sound+アプリ内の説明をよく読まないと気づかないのですが、この設定だとマイクのノイズキャンセリング機能が働きません。座りながら会議することが多い場合(←大半はそうだと思う)は、スマホのJabra Sound+アプリで設定を変えることで、マイクのノイズキャンセリング機能が働くようにしましょう。

音楽メインに使う場合、音質に期待しすぎてはならない

このEvolve2 85に限らず、Jabraの製品は音声通話に特化している印象です。使っているときの印象では、音声を淡々とクリアに届けることに重点が置かれているように思います。一応、「Jabra Sound+」アプリには音質調整の機能がありますが…。

音楽も普通に楽しむことができますが、音楽を聴くのに特化したい人であれば、別のメーカー(ハイレゾ対応のSONYなど)の製品の方が、好みの音に近いものが見つかるかもしれません。

多機能な分、ちょっとしたトラブルも多少ある

千円程度で買える原始的な有線のイヤホンとは違って、Evolve2 85は多機能です。機器の内部構成が複雑な分、ちょっとしたトラブルもあります(Evolve2 85に限らず、他の似た製品も同様だと思いますが)。詳しくは別の記事をご覧ください。

こういう人におすすめ

このJabra Evolve2 85は高価な製品ではありますが、次のような人にとっては購入を検討する価値が十分にあると思います。

  • 管理職など、電話での会議が多い人
  • 英語ネイティブ以外で英語会議がある人
  • テレワーク中で、家に子どもがいたり交通量の多い道路沿いに住んでいるなど、ノイズがある環境で仕事の電話を行う必要がある人

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