コミュ障の仕事術

AIが仕事を奪うのが怖い? いや、むしろ夢の世界に近づくので歓迎すべきですよ!

2020-03-19

ここ数年のAIブームの中で「AIが仕事を奪う」という記事や書籍をよく見かけます。ある種の仕事を奪うのは事実だとして、それに対する恐怖を煽る文脈のものが多いように思います。

しかし、AIが仕事を奪うのは、本来は良いことのはずだったと思うのです。

仕事が無くなるのは歓迎すべきだったはず

AIが仕事を奪って、人がやるべき仕事が無くなったとしましょう。これってよく考えると喜ぶことではないですか?

仕事がなければ、このような素敵な世界が広がります。

  • 満員電車に乗って通勤する必要なし
  • 分からず屋の上司や理不尽な取引先に怒鳴られることもないので心身を病むこともない
  • 気分が乗らなければ昼まで寝ていても良い
  • 何週間も旅行に出ても問題なし

まさにサラリーマンが普段思い描いている夢ではないですか!

昔のSFやマンガ等では、科学技術の進歩による弊害を描くもの(『ウルトラセブン』・星新一氏のショートショートなど)や、進歩しすぎた世界の中でこそ重要な、限りある生命の尊さを描いたもの(『銀河鉄道999』など)はありますが、仕事が無くなること自体への不安や恐怖を描いたものはないように思います。

何が人を不安にさせるのか

上記を見ると夢の世界にも見えますが、多くの大人はこの夢のストーリーを読んでると引っかかる点があると思います。

「もし仕事がなくなったら、お金が手に入らないので生活できないではないか?」

恐らく、仕事によって得たお金で生活するという生々しい現実の実感がない子どもだったら、仕事が無くなったら純粋に嬉しいことだと思うでしょう。しかし大人だと経済的な理由でそうは思わない人が大半だと思います。これは、今の日本を含む資本主義社会で労働者として働いていると、少なくとも本業としては「生きていくのにお金が必要で、そのお金を手に入れるために仕事をするのが必要不可欠」というプロセスを周りの多くの人が日々実践しているため、絶対的なものだと思い込んでしまうためです。

仕事がなくなった場合は「居場所の喪失」「暇を持て余す」「(人を荒く使う側の人の場合)人をこき使うという楽しみ(?)の喪失」などの問題もあると思いますが、この経済的な要因だけでもかなり大きいです。

生きていくのと仕事の有無は本来は無関係

ただ、「生きていくことができる状態の維持(今の日本で言えば定期的な一定以上の収入)」と「仕事の有無」とは、本来は無関係なはずです。

例えば十分な不労所得を持っている人は、どうやって時間を潰すかという問題はありますが、仕事をしなくても生きていけます。全国民に十分なベーシックインカムが与えられても、同様にとりあえず生きていくことは可能です。

そのため、何らかの形で「生きていくことができる状態の維持」が実現できれば、AIが仕事を奪うことは何ら問題はなく、むしろ全力で進めていきたいという人が多いと思います。

AIが仕事を奪っていく時代の過ごし方

望むのか望まないのかに関わらず、AIが仕事を奪っていくという時代の流れを止めることはできません。

結果として、余暇の時間が大幅に増えていくことになります。そのような時代に備えて徐々に準備するのが良いでしょう。

有意義な時間の過ごし方を探す

旅行でも料理でも何でも良いですが、増えていく余暇を有意義に使うための方法を探してみましょう。ちなみに自分が満足できる時間の使い方をすればよいので、「人間でないとできない」ことに限る必要はありません

よく「芸術活動は人間でないとできない」などと言われることがありますが、単にアート作品を作るだけなら今の技術でコンピュータにやらせることも可能です。次のサイトには、AIと使ったアート作品の生成に使えるツールへのリンクがまとまっています。

金銭に対する欲望を減衰させる

人の労働力から富を生み出すという今の社会の枠組みが変わらない限り、AIが仕事を奪うことで、(AIが手を出せない領域で、なおかつ富を生み出すような仕事ができるごく一部の人を除いて)通常の人が得られる富は減っていくと思います。

そのようなときに、お金を稼いで消費するスタイルの生活に慣れているとかなりストレスが溜まります。逆に、最低限のお金で質素に生活するスタイルに慣れておけばストレスにはならないと思います。今から質素に生活するスタイルに変えていきましょう。

複数の収入源を持つ

1つの仕事に頼っていると、それが無くなった場合に収入が途絶えることになります。多くの大人のAIに対する不安の根源はこれでしょう。

いずれ仕事が無くなっていくことを考えると、収入源が1つだけだと収入途絶のリスクが大きいです。しかし収入源が複数あれば、収入源が1つ途絶えたとしても生き延びる可能性が高まります。

副業でも投資でも事業でも何でもいいですが、収入源の数や種類を徐々に増やしていきましょう。

社会の変化に敏感になる

もし大半の仕事をAIが奪ったとすると、日本国民の三大義務である「労働の義務」の遂行が多くの人にとって難しくなります。このままだと法律や社会制度の前提が崩壊するので、何かしらの抜本的な変化が起きると思います。場合によっては、資本主義社会ではない何かに日本が変わるかもしれません。

このようなとき、社会の変化を観察し未来予測を行えば、新しい社会で生きていくための方法を見つけることができるかもしれません。日頃から社会を観察し、変化を探す訓練を行いましょう。

終わりに

AIが仕事を奪うという社会の流れはもう抗いようのないことです。上記でいくつか準備した方が良いことを書きましたが、(書いた本人が言うのもどうかと思いますが)なかなか難しいことではあります。

ただ、せっかくの社会の変化(経済的なことを除けば良い変化のはず)なので、ネガティブに考えるばかりではなくポジティブに捉えて変化を利用したいものです。

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